魚との重要なコンタクトポイントにもかかわらず、意外と軽視されがちなのがフックだと思います。
特にネイティブフィールドにおいて、1日に1度バイトがあるか無いかのシビアな勝負をする時は、細部まで気を配りたいものです。
ルアーを買った時のまま使うのも良いのですが、せっかくですから一手間加えて。
簡単にできる自作スイミングフック、私なりの作り方です。
- スイミングフックを使用する場合は、その釣り場の規定をよく確認してからご使用ください。
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スイミングフックとは
スイミングフックとは、スプリットリングとフックの間にアソビを持たせたフックシステムのことです。
ルアーが泳ぐ時、その名の通りフックがスイミングするためにその名が付いたのでしょうか。
一般的にはスプリットリング直付けのシングルフックよりも魚の動きに対して追従性が良く、フッキング率が高い上にバレにくいとされています。
スイミングフックを愛用する私なりの理由
ネイティブフィールドでのスプーニングの際、私はスイミングフックを使用しています。
特に中禅寺湖などの本気フィールドでは、シングルフックを2本セットしたスイミングフックを使用しています。
体感的なメリットとしては、個人的には下記のように考えています。
- フックとルアーの間にアソビがあるので、バイトの時にフックが魚に巻き込んで刺さっていくイメージ。
そのため2本針だと下アゴに内と外から、口の中で左右両端になど、ガッチリと掛かる場合が多いと感じます。 - アソビがあることで、トラウトが掛かった時のローリングや前後左右の急激な走りに追従しやすいため、バレにくいと感じます。
現在中禅寺湖を中心とした湖のトラウトルアーフィッシングでは、ロデオクラフトのM.T.レイクスを始めとしたスライドスプーンによるゲームが盛り上がっています。
湖に潜むモンスタートラウトを狙うスライドスプーニングでは、このフックシステムの使用がマストです。
スライドスプーンについては、下記コラムでタックルを含め、徹底解説しています。
こちらも後ほど、是非チェックしてみてください。
M.T.レイクスの特長や使い方については、下記で徹底解説しています。
スイミングフック作成に必要なもの
スイミングフック作成時に用意するものは、以下の12点です。
道具はフライタイイングと、ほぼ変わりません。
タイイングバイス
安いもので数千円程度、高い物でン万円します。私はDYNA-KINGのバイスを使用していますが、スイミングフックを巻くだけであれば数千円のもので十二分ではないでしょうか。
シザーズ
スレッドを切るために使います。先端が細く、ストレートのものが使いやすいと思います。
ボビン、ボビンスレッダー、スレッド
ケプラートをフックに巻き付ける際に使用します。
スレッドをボビンにセットしたら、ボビンスレッダーを上から挿入し、糸を通します。
フィニッシャー
ケプラートをフックに巻き付け終わった時、仕上げにスレッドを締め込むためのツールです。
スイミングフックを作る際は、できるだけ幅が広いものを選ぶと楽です。
ケプラート
柔らかく高強度な化学繊維ラインで、このシステムではルアーとフックを繋ぐラインになります。
40cmくらいまでのトラウトを相手にする場合は2.5号~3号、中禅寺湖でレイクトラウトを狙ったり、河川などでサクラマスをターゲットとする場合は4.5号~6号あたりが良いかと思います。
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YGKよつあみ ケプラート 3号
- 長さ:10m
- 比重:1.42
- 素材:ポリアリレート
スイミングフックやアシストフック作成に最適な、高強度ラインです。
40cmクラスまでのトラウト狙いなら、この番手までで充分です。
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YGKよつあみ ケプラート 6号
- 長さ:10m
- 比重:1.42
- 素材:ポリアリレート
湖や本流などでモンスタートラウトを狙うなら、6号をメインに考えたいです。
現在はケプラートよりも高強度なザイロンというラインが出ていますので、こちらを使用しても良いと思います。
PEシザース
ケプラートなどの高強度ラインを切断するためのハサミです。
通常のハサミでは切断できませんので、必ず用意した方が良いです。
最近私は、PEシザースではなく、ケプラート専用のシザースを使い始めました。
スパスパ切れてストレスフリーです。非常におすすめです。
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第一精工 ステンハンター
なかなかうまく切れなかったケプラートが、文字通りスパスパカットできます。 現在私も愛用しています。
フック
餌釣り用のフックを使用します。私の場合、ネイティブフィールドではチヌをメインに、時々丸せいごあたりも使用します。中禅寺湖では、下記いずれかがお勧めです。
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がまかつ 一刀チヌ 6号
ヒネリが無く、フックポイントが非常に鋭いので、フッキング重視のゲームに最適です。現在愛用中です。
※フックは必ず、環付きでないものを選んでください。
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がまかつ 伊勢尼 11号
歴代のエキスパートが使用してきたフックで、こちらもヒネリがありません。非常に太軸で、どんな大物が掛かっても安心のフックです。
※フックは必ず、環付きでないものを選んでください。
- レイクトラウト狙いに絞るのであれば、もう少し大きなフックを選んでも良いでしょう。
- フックは、環付きでないものを選んでください。
ニードル
ケプラートのループを作ったり、細かい作業をアシストしてくれるツールです。
アロンアルファ
オールフィニッシュ時に付ける接着剤です。普通のアロンアルファで充分です。
その他
アロンアルファを付けたあとに、フックを乾燥させる台があるとより便利です。
私の場合、乾燥台はルアーを通販で買った時に送られてきたダンボールとクッションを使用して自作しています。
ホームセンターなどに売っている、発砲スチロールの塊も乾燥台として使えますね。
私流スイミングフックの作り方
まずはケプラートをカット
約7cm程度で切っていきます。まとめ切りをして、小さいジップロックなどに入れておくと便利です。
ケプラートでチチワを作る
カットしたケプラートの中央に、チチワを作ります。ニードルを使うと便利です。
バイスにフックをセット
フックポイントを上に向けて付けます。ケプラートはフックの内側に巻き付けていきます。
下巻きを行う
スレッドをフックに巻き付けていきます。
ケプラートの巻き付け
スレッドでケプラートを巻き付けていきます。
余分なケプラートはPEシザースでカットし、長さを調整します。
1本目フィニッシュ
フィニッシャーでフィニッシュし、取り外します。
バイスに2本目のフックをセット
1本目と同じようにフックポイントを上に向けてセットし、同じ手順で巻いてフィニッシュします。
この時1本目に巻いたフックを確認し、互いに交互に合わさるよう、ケプラートの表裏と長さを調整して巻きます。
オールフィニッシュ
最後にアロンアルファで接着し、乾燥台で乾かします。
スイミングフック作りは奥深い
実は私が行っているのは簡易的なスイミングフック作りで、突き詰めるともっともっと多くの作り方があります。
例えばルアー側のスプリットリングとケプラートの摩擦軽減のため、カルティバのソリッドリング(3.5mm)を噛ませたり、ケプラートより強度の高いザイロンを使用したり、フックの段差を大きく付けたり、フック同士を同じ方向に向けたり。
キャスティングでトラウトをターゲットとして使用するのであれば、私のような簡易バージョンで全く問題なく使用することができますが、慣れてきたら色々なバージョンを試してみるのも面白いですね。
私も色々勉強してみて、試してみたいと思います。