釣果をアップさせる方法は沢山あると思います。
ノウハウ、経験、そして勘…どれも習得するためには多くの時間を要するものですが、簡単に実践できることで大きな成果を残せるものがあります。
それはタックルです。
魚との距離を縮めるために私が行っていることの1つ、「ライン選択の基本」です。
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トラウトラインには種類がある
トラウトルアーフィッシングにおけるキャスティングラインは、大きく分けて3種類あります。
ナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインです。順にメリットやデメリットを紹介していきます。
ナイロンライン
最もポピュラーで、オールシーズン多くの釣り方に使えるラインです。
初心者から上級者まで、扱いやすさや取り回しでは1番のラインではないかと思います。
- ナイロンラインのメリット
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- しなやかでスプールなじみが良く、ライントラブルが極端に少ないです。
- ラインに伸びがあることでトラウトに違和感を与えづらいため、食い込みが良くなります。
- 伸びがあるということはアソビがあるということなので、トラウト特有の突然のランにも充分耐えられます。
- ノット時にしなやかに糸同士が締め込まれていくために、結束力が高くなります。
- 伸びがあることでノット1点にかかる負担が少なくなり、結果的に結束強度を長く保つことができます。
- 柔らかくしなやかに放出できることでガイドへの抵抗が少なく、飛距離を出すことができます。
- 安価で手に入りやすいです。
- ナイロンラインのデメリット
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- 水や紫外線を吸収することで劣化していく特徴があり、素直な糸質だけにヨレに対しても従順で、耐久性はあまりありません。
- 伸びがあることで小さいアタリを取ることは難しく、距離を出していたり水深20mなどの深場を攻めている時などはフッキングに至らないことが多くあります。
- ライン自体の比重が軽いため、ボトムトレースしているつもりが浮き上がっていることが多々あります。
- おすすめの使いどころ
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中層~上層の比較的浅いレンジを攻める時、30mまでのあまり飛距離を出さない釣りに適しています。
おすすめのトラウト用ナイロンライン (エリア編)
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ヤマトヨテグス ファメルトラウト サイトエディション
ミストグリーンとライムチャートが50cmずつ交互に入っている、攻撃的な掛けの釣りに最適なライン。
ミストグリーン部分にルアーを結束すればトラウトから見破られにくくなり、視認性の高いライムチャート部分で積極的にアタリを取ることができます。
エリアでの使用であれば、2.5lbか3lbあたりが使いやすいと思います。
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ユニチカ シルバースレッド アイキャッチ
視認性が高い蛍光イエローを採用。サイトフィッシングに最適なライン。リーダーの結束は必須です。
耐久性は高くないので釣行ごとに巻き替えが必要ですが、何よりもリーズナブルな価格が嬉しいです。
エリアなら、2lbか2.5lbが使いやすいと思います。
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バリバス スーパートラウトエリア マスターリミテッド SVG
SVG製法で生み出された最細・最強ライン。3.5lbでも線経が0.128mmしかありません。
伸びも非常に少ないので、乗せの釣りやヘビーウェイトスプーンの釣りに大活躍します。
他社のラインよりも細いので、強度確保を重視して3lbを基準に選ぶと良いと思います。
フロロカーボンライン
ナイロンラインに比べて高価ですが、その分ピンポイントな狙いに応えてくれるラインです。
- フロロカーボンラインのメリット
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- ナイロンよりも伸縮性が少ないために、小さいアタリも取りやすくなります。
- 光の透過率が高く、ナイロンに比べてトラウトからラインが見えづらくなります。
- 張りがあるために、ヨレに対してナイロンより強くなります。
- 摩耗に対して強いために、根ズレに対する強度は1番です。体感では、トラウトの歯によるスレにも強いと思っています。
- 吸水性が低くクセに対する耐性が高いために、ナイロンよりも長持ちします。
- 比重が高く、沈下し易く浮き上がりにくいので、中層からボトムを攻めやすくなります。
- フロロカーボンラインのデメリット
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- 比重が高く張りがあり、伸びが少ないことからガイド干渉率も高く、飛距離の面ではナイロンに比べ、体感できるほどガックリと落ちます。
- ラインに張りがあることでスプールなじみが悪く、ライントラブルはナイロンに比べて多くなります。
- 張りがあることで、ナイロンに比べ結束力が若干落ちます。
- 根ズレに対する強度は高いのですが、直線強度はナイロンに若干劣ります。
- 直線強度を補うため、価格が低めのフロロカーボンラインは、同lbのナイロンよりも線径が太くなります。
- 一度クセが定着してしまうと、直すことは困難です。
- ナイロンに比べ、全体的に高価です。
- おすすめの使いどころ
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ボトム~中層の深いレンジを攻める時や、トラウトにプレッシャーが掛かっている時の釣りに適しています。
おすすめのトラウト用フロロカーボンライン (エリア編)
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シーガー R18 フロロリミテッド
フロロカーボンラインのパイオニア、クレハの最高級フロロカーボンライン。
線経も細く、ミドル~ディープレンジの攻略に申し分無い働きをしてくれます。100m巻きオンリーです。
エリアであれば、1.5lbから2.5lb程度までがメインになると思います。
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バリバス スーパートラウトエリア マスターリミテッド プレミアム フロロカーボン
バリバスのプレミアムフロロカーボンライン。線経もR18同様に細く、しなやかなのが特徴です。
R18同様、エリアなら1.5lbから2.5lb程度までがメインになると思います。
PEライン
フロロカーボンラインに比べてさらに高価ですが、直線強度が強く、使い方次第で最高の能力を発揮してくれるラインです。
- PEラインのメリット
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- 伸縮性が全く無いために、小さいアタリやボトム形状、水流の変化を感じ取りやすくなります。
- 吸水や紫外線で劣化することが無いので、コーティングが続く限り使用し続けることができます。
- 同じ強度(lb)でも細い糸を使用することができるので、その分摩擦抵抗が減り、飛距離を出すことができます。
- 糸ヨレが非常に少なく、ドラグを多く出されるパワーゲームでも快適に使用し続けることができます。
- 複数の糸を編み込んで1本のラインとして形成されているため、直線強度が非常に強く、パワーゲームでも安心して使うことができます。
- 比重が低く、沈下しにくいためにラインでアタリを取りやすくなります。
- PEラインのデメリット
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- アソビが全く無い分、対象魚が小さい時はルアーを巻き取る力の方が強すぎてしまい、食い込みが悪くなります。
- ラインに張りが無いため、一度絡まると糸同士が食い込みやすく、ほどくのが非常に困難です。
- ライン表面がコーティングされているため摩擦が掛かりにくく、PEとルアーを直結する場合はノットに工夫が必要です。
- 複数の糸を編み込んで1本のラインにしている特性上、傷が少しでも入ると全体強度が著しく落ちてしまいます。根ズレに非常に弱いです。
- ただの編み込み糸のため、トラウトからもろに見えます。
- 非常に高価です。
- おすすめの使いどころ
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リーダー併用が前提ですが、対象魚が比較的大きめで中層~上層の比較的浅いレンジを攻める時、遠くの魚を掛ける釣りに適しています。
おすすめのトラウト用PEライン (エリア編)
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バリバス スーパートラウトエリア マスターリミテッド プレミアム PE
バリバスのエリア用プレミアムPEライン。
細やかな強度ラインナップも嬉しいのですが、何よりバリバス独自の特殊加工が素晴らしいです。極小ルアーもストレス無く飛んでいきます。
号数としては、0.2号が基準になると思います。
おすすめのトラウト用PEライン (ネイティブフィールド編)
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バリバス スーパートラウト アドバンス マックスパワーPE
バリバスの最高級8ブレイドPEライン。「ビッグトラウトを獲ることを追求した」というコピー通り、私も2013年に84cmのレイクトラウトをキャッチすることができました。
バリバス独自の特殊加工がシルキーなキャストやリトリーブを生み出し、厳寒期もトラブルレスです。
私はミノーや比較的ライトウェイトのスプーニングであれば0.8号、ヘビーウェイトスプーニングで1号から1.2号をメインにしています。
マックスパワーPEは、現在湖の釣りで盛り上がっている、スライドスプーンを使ったゲームに最適です。
湖に潜むモンスタートラウトを狙うスライドスプーニングは、下記コラムでタックルを含め、徹底解説しています。
こちらも後ほど、是非チェックしてみてください。
スライドスプーンのパイオニアであるM.T.レイクスの特長や使い方については、下記で徹底解説しています。
結局どのラインがベストか
これだ!というものは無く、対象魚や釣り方によってベストなラインシステムは全く異なるということになります。
私が実際に使用しているシチュエーションで、いくつか例を挙げてみます。
管理釣り場で30cm未満のトラウトと遊ぶ
多くの管理釣り場のアベレージサイズ、30cm未満のトラウトを相手にする時は、ナイロンラインを使用すればまず間違い無いと思います。
糸ヨレは気になりますが、個人的には扱いやすさを優先した方が良いと思っています。
縦釣りなら良いでしょうが、巻いてくる釣りでPEラインを使ってしまうと、小さい魚が対象の場合はアタリを弾いてしまってイライラしてしまうかもしれません。
(ドラグをユルユルにして対応しても良いのですが、周りの方に対して過度の騒音になってしまいます。)
冬場やプレッシャーが高い場合は、フロロカーボンラインがおすすめです。
管理釣り場で40cm以上のトラウトと遊ぶ
大型のトラウトが入っている管理釣り場、あるいは魚自体がパワフルな管理釣り場などでは、PEラインという選択肢があります。
フロロカーボンラインかナイロンラインのリーダーを使用することが前提ですが、食い込み力が強い魚、しっかり咥える魚が多ければ、PEラインでも弾くことなく掛けることができます。
何よりドラグを沢山出されても、糸ヨレを全く気にしなくて良いという所が嬉しいですね。
湖で巻きメインで遊ぶ
スプーンやミノーの巻きメインで遊ぶ場合は、ナイロンかフロロカーボンのどちらかのラインを使用します。
狙うレンジが低めの場合はフロロカーボン、浅い場合はナイロンを使用しています。
遠くでヒットする場合や、フォールをメインとした縦の釣りも1つのタックルで併用する場合は、PEラインを使用することも多いです。
湖で縦メインで遊ぶ
独特なフォールメインの縦釣りで、時折底を這わせるような釣りをする場合は、PEラインを使用します。
この時のリーダーは、フロロカーボンラインを使用します。
比重が低いPEラインは水面からルアーまでが直線に近くなるため、伸びが無い特徴も合わさり、リフトアップを最小限の力で効果的に行うことができます。
ボトム付近にいるトラウトは、大型になればなるほどアタリがシビアな場合も多く、小さいアタリも取ることができるPEラインはここでも役に立ちます。
心配な根ズレはフロロカーボンラインのリーダーで補えるため、比較的スローな縦釣りであればこのラインシステムが最強だと思っています。
ラインカラーも重要
意外と軽視されがちなラインカラーですが、警戒心の強いトラウトの場合は意外に重要です。
例えば視認性を重視した蛍光カラーラインは、特にプレッシャーが強い管理釣り場やメジャーフィールドでは、そのままフルラインで使うと釣果がいまひとつという場合があります。人間にとって見やすいものですが、同時にトラウトにとっても見やすいものでもあるからです。
蛍光のラインや色が付いているラインを使用する際に食いが悪い場合は、メインラインの先にリーダーを付けてあげると良いと思います。
おすすめは光の透過率が高いフロロカーボンラインか、スモークカラーか透明のナイロンラインです。
おすすめのトラウト用リーダー
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シーガー グランドマックス
クレハの最高級フロロカーボンハリス。
ラインナップも幅広く、エリアからネイティブまでほぼ全ての状況をカバーできます。
私はエリアでは0.6号から0.8号、ネイティブのディープレンジスプーニングでは2.5号から3号くらいを目安に使用しています。
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バリバス スーパーティペット マスタースペック ナイロン
バリバスの細く強い、フライ用ティペット。
他のルアー用リーダーよりも多く入っているのでお得です。
エリアのサーフェスゲームには最適です。私はエリアでは7X(2.5lb相当)か6X(3.5lb相当)、ネイティブではトップウォーター用に3X(7.6lb相当)あたりを使用しています。
ラインシステムを駆使する
色々なシチュエーションを考え、複数種類のラインを組み合わせることを"ラインシステムを組む"と言います。 非常に複雑なシステムもありますが、一般的には以下のようなパターンがあります。
ナイロンラインにフロロカーボンラインのリーダーを付ける
プレッシャーが高い管理釣り場で、たまに使用します。
例えば視認性の高いナイロンラインをメインとし、食わせるルアー近辺はナチュラルさを重視してフロロカーボンラインを結束してあげます。
メインラインが蛍光カラーでない場合でも、食いが渋くなってきたらフロロカーボンラインを足してあげるだけで、釣果に差が出る場合も多くあります。
PEラインにリーダーを付ける
ラインの気配を消し、摩擦系ノットの結束力を高め、根ズレへの強さを兼ね備える...PEライン単体では欠点となる部分を、他のラインを組み合わせることで補います。
いつも行くフィールドで色々試してみると、釣りの幅が広がって釣果に跳ね返ってくると思います。
是非実践してみてください。
皆さんが使っているラインシステムや、この記事の中で紹介したシステムに対するアドバイスもお待ちしています。
更新記録
- 2014年1月2日
- 加筆
- 2012年9月2日
- 初版