近年、湖のスプーニングは一種の"スライドスプーンブーム"が起きています。
これまで、一定速度でリトリーブしてくることが基本だったスプーニング。
"スライド系"と呼ばれるスプーンは、そこにメスを入れました。
ミノーイングのようにこちらから仕掛けて獲っていくという、今までに無かった攻撃的なスプーニングは、湖に潜むビッグトラウトに誰もが近付けるチャンスを与えてくれているような気さえします。
そんな、魅惑のスライドスプーニングを解説してみます。
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スライドスプーンとは
スライドスプーンとは、とても簡単に説明すると"カーブフォール時にゆっくりと、横方向に落ちていくスプーンのこと"です。
図で示すと、下記のようなイメージです。

通常スプーンをリトリーブしてくると、スプーンはキャストしたロッドと平行に戻ってきます。
沖にキャストして巻いてくると、深場からブレイクの上を通過し、最後は手元まで真っ直ぐに戻ってきますね。
スライド系スプーンの場合、途中でリトリーブを止めてカーブフォールをかけると、体の面と平行にゆっくりと落ちていきます。
つまり、リトリーブ方向に対して90度の方向に、高速回転しながらゆっくりと落ちていくのです。
実際はラインテンションが掛かっているので、扇状に横に落ちていくイメージです。
また、左右どちらに滑り落ちて(スライドして)いくのかは、その時々によります。
リトリーブを止めるだけで、それまでの緩やかな一定方向アクションが、ゆっくりとした横アクションに変わります。
リトリーブパターンだけで、スプーンのアクションを全くの別物にすることができるわけです。
カーブフォールで横方向へのスライドフォールアクションを演出できるスプーン、それがスライドスプーンです。
アクションへの疑問を解決しておきましょう
勘の鋭いアングラーの皆さんが、突っ込みたくなる疑問を先に解決しておきます。
2は私なりの憶測です。
- なぜフォール時にゆっくり落とそうとするのか
トラウトに対してより長い時間スプーンを見せることで、バイトチャンスを増やすためとされています。 - なぜ高速回転しながらカーブフォールしていくのか
カーブフォール時にスプーン本体を高速回転させることにより、水をかくような形になると思います。
ラインテンションと合わさることで、ゆっくりとフォールすることが可能になったのだと思います。素晴らしい発想です。 - ステディリトリーブはできないのか
スライド系スプーンでも、タダ巻き、いわゆるステディリトリーブは難なくできます。
アクションはウォブリング~ウォブンロールになります。
スライド系スプーンの種類
"スライド系"と呼ばれるスプーンはここ最近、本当に増えてきました。
王道とされているのは、M.T.レイクスとプロビアの2点です。
M.T.レイクス(メーカー:ロデオクラフト)

スライド系スプーンのパイオニアです。ウェイトとカラーラインナップは、ジャンル随一です。
私もパワーユースしており、最もおすすめのスライド系スプーンと言えます。
"M.T."は、"モンスタートラウト"のイニシャルです。
ウェイトラインナップ(全7種類)
- 57mm・9g
- 67mm・13g
- 77mm・15g
- 67mm・16g
- 77mm・19g
- 87mm・22g
- 77mm・23g
カラーラインナップ(全21種類)
- レッドS字 / 裏シルバー
- パールレインボー / 裏シルバー
- ブルーシルバー / 裏シルバー
- ブラウンシルバー / 裏シルバー
- グリーンゴールド / 裏ゴールド
- 赤金 / 裏ゴールド
- キャンディーレッド / 裏ゴールド
- オレチャートB / 裏ゴールド
- オレゴールドグリーン / 裏ゴールド
- キャンディーパープル / 裏シルバー
- ユスリカオリーブ / 裏同様, 9gオンリー
- モンカゲブラウン / 裏同様, 9gオンリー
- ゴールド赤金 / 裏ゴールド
- ブルーチャートG / 裏ゴールド
- 透過チャートレッドS字 / 裏ゴールド
- レッドゴールドブラック / 裏ゴールド
- グリーンレインボー / 裏シルバー
- パールワカサギ / 裏シルバー
- グリチャーY / 裏ゴールド
- オレンジレインボー / 裏ゴールド
- ピンクB / 裏シルバー
- その他スペシャルカラーやオリジナルカラーは除きます。
M.T.レイクスの特長や使い方については、下記で徹底解説しています。
こちらも後ほど、是非チェックしてみてください。
プロビア(メーカー:シーレーベル)

スライドも得意ですが、細長いベイトシェイプの特長を活かしたトゥイッチなど、ロッドアクションも幅広くこなすことができます。
私は、M.T.レイクスとのシルエットローテーションで使っています。
ウェイトラインナップ(全5種類)
- 69mm・7g
- 74mm・10g
- 74mm・12g
- 69mm・14g
- 80mm・18g
カラーラインナップ(全29色)
- ブラック・オレンジテール / 裏ゴールド
- 赤金・オレンジ / 裏ゴールド
- パーチ・グリーン / 裏ゴールド
- 蛍光レッド・ピンクテール / 裏ゴールド
- パール・ピンクテール / 裏シルバー
- パールレインボー / 裏シルバー, テールグロー
- ライムチャート / 裏シルバー
- 蛍光レッド銀・ピンク / 裏シルバー
- レイクイエロー・オレンジ / 裏ゴールド
- ヒメマス / 裏シルバー
- ブラックピンク / 裏シルバー
- レイクイエロー・ピンク / ステルスブラック
- ワカサギ / 裏シルバー
- ブラック・ゼブラ / 裏ゴールド
- ホワイトグローゼブラ / 裏シルバー
- レッドゼブラ / 裏ゴールド
- ライブゴールドレッド / 裏ゴールド
- ブルーシルバー / 裏シルバー
- ライムチャートゴールド / 裏ゴールド
SIG color ~中禅寺湖で培ったプロスタッフカラー~
- パールレインボー・グローテール / 裏ゴールド
- 蛍光イエロー・オレンジ・蛍光レッド / 裏ゴールド
- パールヒメマス / 裏シルバー
- ブルー・ピンク / 裏シルバー
house sf color ~北海道期間限定オリジナルカラー~
- ライブゴールド・レッド / 裏オレンジ
- グリーンタイガー / 裏ブラウン
- マットブラック・レッドオレンジ / 裏マットブラウン
- ライブゴールド・グリーン / 裏ゴールド
- アンドロメダグリーン / 裏シルバー
- アメマス・ゴールド / 裏ブラウン
- その他スペシャルカラーやオリジナルカラーは除きます。
その他のスライド系スプーン

その他スナッチベイト(メーカー:マグネット)など、各社からスライド系と呼ばれるスプーンが発売されています。
72mmが基準の長さ、14g~18gくらいまでがメインのウェイトになっているようです。
スナッチベイトは、他のメーカーに無いギャラクシーやホログラム系のカラーが充実しています。
スライドスプーンでトラウトを誘う時の考え方
スライドスプーンの基本的な特性や種類を理解したところで、具体的な操り方を考えてみましょう。
通常、スプーンをリトリーブしてくると、棚(レンジ)はどうなるでしょうか。
"徐々に浮き上がってくる"が正解です。決してレンジキープしたまま手元に戻ってくるわけではありません。
スライドスプーンを操る時は、その浮き上がってできた"高さ"を利用し、先述した特性に沿ってカーブフォールをかけていきます。

少しややこしくなってきましたね。
まとめると、スライドスプーンの釣りは下記2つのディメンション(次元)を組み合わせることによって成り立っています。
- 横のディメンション
カーブフォールをかけると、スライド系スプーンはリトリーブ方向に対し、90度に滑っていくという方向の次元。 - 縦のディメンション
リトリーブすると浮き上がるスプーンの特性を逆に利用し、リトリーブによってできた"高さ"を使い、その間を使ってスプーンを滑らせ(スライドさせ)、できるだけ長い時間トラウトにスプーンを見せるという高さの次元。
後ろや横から興味を持って近付いてきたトラウトたちは、スプーンの動きが一定方向から横に突然変わることに加え、リフトアップとフォールが繰り返されることにより、上下に振られる縦方向の変化も目の当たりにするわけです。
この2点を繰り返す、あるいは織り交ぜることでトラウトをやる気にさせ、バイトさせていく。これがスライドスプーンの釣りなのです。
例えば代表的な"2-2-5"と言われるリトリーブセットは、以下のような考え方です。

- 着底後、2回巻くとルアーが浮き上がります。(縦のディメンション)
- リトリーブをストップすると、浮き上がった高さを利用し、横方向に回転しながらスプーンが滑り落ちて(スライドして)いきます。(横のディメンション)
- 同じことを2度繰り返し、トラウトをやる気にさせ、スプーンを追わせます。
- 最後にリズムチェンジし、5回一気に巻いてストップします。
- ここで食え!というメッセージを込め、長時間スライドさせてルアーを見せます。
このリトリーブセットでの狙いのバイトタイミングは、最後の長いスライドです。
"2-2"の段階でトラウトがやる気モードに入っていれば、最後の長いスライドでゴンッ!と気持ち良くバイトが出ます。
もちろん、トラウトには種類ごと習性がありますし、その日の条件もありますので、2-2-5が必ずしも万能な王道セットというわけではありません。
このリトリーブセットとカウントダウンを操ることで、魚種やレンジを狙って攻めることができるとも言えるのです。
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基本的なタックルセッティング
STOPとGOが混在し、距離や深さも考慮しなければならないこの釣りは、タックルセッティングもやや特殊な部類に入るのかもしれません。
ポイントを押さえてみます。
ロッドは狙うレンジによって使い分け
ボトム付近はブラウントラウトやレイクトラウト、イワナなどの根物系、中層から上はニジマスやホンマス、サクラマス、ヒメマスなどの回遊魚系と分かれると思います。
ボトム付近を狙う時
パラボリックな中でも、ややファースト気味のものが扱いやすいです。
必然的にパワークラスは、ミディアムからミディアムヘビー、メーカーによってはヘビーあたりになると思います。
特化したロッドとしては、ロデオクラフト・フォーナインマイスターネイティブ・ブラックウルフ93H-TRZ、スミス・イル・フロッソTILF-87あたりが有名です。
スミスのイル・フロッソは、ルアーの操作はティップ付近でシャープに行い、魚が掛かった際にはロッド全体のしなりを使って取り込むことができるという新しいコンセプトのロッドです。

-
SMITH TILF-87
- 長さ:8フィート7インチ
- セクション:2ピース
- ルアーウェイト:~28g
- ライン:~14lb
アイビーライン(ハードストリームス)からも、アシュランというボトムジギング・スプーニングのロッドが発売されています。
イル・フロッソと同じようなコンセプトで、ルアーの操作性は損なわず、バラシを軽減するために二重テーパーを採用している点がポイントです。
魚が掛かった際にはソフトなティップがフルベンドする前にベリー以降が曲がりはじめ、綺麗なカーブを描きます。

-
IVYLINE Hard Streams Phalanx Ashlan 9'06"S
- 長さ:9フィート6インチ
- セクション:2&Half
- ルアーウェイト:7g~28g
- ライン:8lb~16lb
私もアシュランは8フィート6インチのモデルを持っています。トラウトルアーロッドに今まで無かった可変テーパーは、興味津々でした。
さらに私は、イル・フロッソよりも前に出ていたボロンコンポジットモデルのIBXX-87BSPも使用しています。

-
SMITH IBXX-87BSP
- 長さ:8フィート7インチ
- セクション:2ピース
- ルアーウェイト:8g~28g
- ライン:ナイロン6lb~14lb
中層~表層近くを狙う時
回遊魚をターゲットにする時は、パラボリック気味なロッドを選択すると良いと思います。
突然のランによる口切れを避けるため、ミディアムやミディアムヘビーまでが候補になってくると思います。
特化したロッドとしては、ロデオクラフト・フォーナインマイスターネイティブ・ブラックウルフ83MH-TRZが有名です。
トラウトロッドについては、下記で基本を掘り下げています。
PEラインにフロロカーボンラインの結束が基本
距離も深さもある釣りなので、PEラインの使用は必須です。
フロロカーボンのリーダーを結束することは、次の4つのメリットがありますので、必ず行うことをおすすめします。
- トラウトからのブラインド効果
- 根ズレ防止
- ショックの逃げ道
- スライド角度などの微調整
トラウトラインについては、下記で基本を掘り下げています。
フックはスイミングフックを使用
STOPとGOを繰り返すため、フックは基本的にチヌ針を2本用いたスイミングフックを使用します。
北海道などフックを1本しか使用できないフィールドの場合は、フッキング力とホールド力、どちらを取るか悩みどころですね。
なぜSTOPとGOを繰り返す釣りにはチヌ針なのかなど、フックについては下記で基本を掘り下げています。
スイミングフックは、自作での量産も簡単にできます。
ローリングスイベルが必須
スライド中は高速回転しながらフォールしていくので、糸ヨレ防止のため、またスプーンの動きを妨げないように、ローリングスイベルを必ず付けましょう。
各スライド系スプーンに対応した、ローリングスイベルの大きさを表にまとめました。
| NTパワースイベル | 対応するスライド系スプーン |
|---|---|
| 10号 | M.T.レイクス、スナッチベイト、プロビア(10g・12g・14g) |
| 6号 | プロビア(18g) |
ローリングスイベルは、小さければ小さいほど抵抗が少なくて良いです。
プロビア10g・12g・14gは、10号だとピッタリサイズです。
少しゆとりを持たせて、8号か7号程度でも良いです。
プロビア18gはスプリットリングが大きめなので、スイベルも6号と多少大きいものを使用することになります。

-
NTパワースイベル 10号
- 入数:10個~
- 強度:21kg
- 全長:9.1mm

-
NTパワースイベル 6号
- 入数:10個~
- 強度:45kg
- 全長:11.9mm
ルアー交換は、ローリングスイベルとスプリットリングの接続部分で行います。
交換をスムーズに行うために、スプリットリングオープナーも持っておくことをおすすめします。

-
SMITH スプリットリングオープナー
- 対象スプリットリング:#0~#3
私はショアからのキャスティングでは、ピンセットタイプを使用しています。

-
SMITH スプリットリング ピンセット
- 対象スプリットリング:#0~#3
番外編:スプリットリングは自分で付ける
ロデオクラフト・M.T.レイクスは、スプリットリングが最初からルアーに取り付けられておらず、リングが付属しているのみです。そのため、自分でスプリットリングを取り付ける必要があります。
フィールドのゴミを増やしたくないというコンセプトがあり、スプリットリングを自分で取り付けて、パッケージは自宅できちんと捨ててきて欲しいという思いがあるようです。
スプーン本体に傷を付けず、まるで店頭製品のようにスプリットリングを取り付ける方法は、下記で徹底解説しています。
泳層別スライドスプーンの使い方
湖における、泳層別の使い方をまとめてみました。
あくまで一般論になってしまうのですが、参考にしてみてください。
ボトムのトラウトを狙う時
この泳層のメインターゲットは、レイクトラウトやブラウントラウトになります。
- キャスト後、ボトムまでフリーフォール
- 着底後、高さを稼ぐために2回ほど巻く
- できた高さを使って2秒カーブフォール(スライド)※この時ボトムは取りません
- 再度2回巻く ※この時ボトムは取りません
- 2秒カーブフォール ※この時ボトムは取りません
- 最後に5回巻いて、着底までカーブフォール
6まで行ったら、手前に来るまで2からまた繰り返します。
これがいわゆる、2-2-5と言われる最もオーソドックスなリトリーブセットです。
このリトリーブ回数やスライドの秒数を細かく調整することで、その日の状況に合わせたり、魚種の狙い分けができたりします。
中層のトラウトを狙う時
この泳層のメインターゲットは、ホンマスやサクラマスです。
高水温になった時も、全魚種狙い目となる泳層です。
- キャスト後、カウントを取ってフリーフォール
- 任意のカウントで止め、5回巻く ※この時ボトムは取りません
- 5秒カーブフォール ※この時ボトムは取りません
- 再度5回巻く ※この時ボトムは取りません
- 5秒カーブフォール ※この時ボトムは取りません
4と5を繰り返します。
リトリーブ回数とフォール秒数は、使うリールのギア比によりますが、ほぼ同じです。
中層を誤差2mくらいまでの範囲で探る形になります。
カウントをしっかり取らないと棚ボケしますが、カウントさえ取れれば到達深度をある程度把握することができます。
この計算方法については、「M.T.レイクスを使って湖でトラウトをザクザク釣る方法」で解説しています。
中禅寺湖ではこの方法で水深12m前後の中層を狙い、キャッチできませんでしたがヒカリモノを掛けたこともあります。
2015年の中禅寺湖特別解禁の時は、中層をショートタッチのスライドで狙い、型はイマイチでしたがブラウントラウトとレイクトラウトをキャッチしました。
表層のトラウトを狙う時
この泳層のメインターゲットは、ヒメマスやホンマス、ニジマスです。
基本的にマズメ時などのチャンスタイムに攻める泳層になります。
- キャスト後、カウントを取って任意のレンジまでフリーフォール
- 任意のカウントで止め、5回巻く ※この時ボトムは取りません
- 5秒カーブフォール ※この時ボトムは取りません
- 再度5回巻く ※この時ボトムは取りません
- 5秒カーブフォール ※この時ボトムは取りません
4と5を繰り返します。
リトリーブ回数とフォール秒数は、中層を探る時同様、ほぼ同じです。
じっくり見せたい時は5回セット、ある程度トリッキーに行きたい時は3回セットなども良いかもしれません。
2016年シーズン初戦ではM.T.レイクスを使用し、ユスリカを捕食していたヒメマスを水面直下で掛けることができました。
2016年シーズン2戦目も同様にM.T.レイクスを使用し、水面下1mを狙ってホンマスを掛けることができました。
スライド系スプーンのメリットとデメリット
ここまで大変に夢のあることばかり書いてきましたが、物事には必ず陰と陽があります。
スライド系と呼ばれるスプーンも、例外ではありません。
実は誰も教えてくれない(であろう)、スライドスプーンのメリットとデメリットをまとめてみます。
陰と陽を理解しながら、スライドスプーンを使いこなしていきたいですね。
スライドスプーンならではのメリット
- フォール時間が長いために、トラウトに対して長い時間スプーンを見せることが可能になります。
それだけバイトチャンスが増加します。 - フリーフォール時、カーブフォール時の深度(カウント)がスプーンのウェイトごとほぼ正確に取れるので、中層など任意のレンジを集中的にトレースしやすいです。
- ボトムを狙っていても、スライドさせるために縦への高さを取り続けるため、実際にボトムコンタクトする回数はジグ系のリフト&フォールより少ないです。
そのため、根掛かりによるルアーロストが非常に少なくなります。
普通のスプーンと比較した場合のデメリット
- カーブフォールでの沈下速度が遅いため、早いフォールでの食いが良い時は、逆に不利になります。
- スプーンのシルエットが各社、だいたい細長の70mm前後で揃っています。
ファットボディや小さいシルエットなど、見た目で違いを出すためのスプーンローテーションがしづらいです。
デメリット1については、早いフォールが良い時はフリーフォールにしたり送り込んだりするなど、アングラーのテクニックでカバーすることができます。
デメリット2は、遠投性を考え後方重心を取り入れたり、回転させることによって緩やかな沈下を実現しているためと思われるので、どうしても仕方ない部分はあると思います。逆に構造的な特長と捉えたいですね。
スライドマスターに近付くために
"掛かった"ではなく"掛けた"をスプーンで体験してしまうと、もうあの日の自分に戻れないカラダになってしまいます。
もっともっと誘い倒して、あの人みたいにビッグトラウトを掛けまくりたい!そんなスライドマスターに近付くために、できることを考えてみました。
まずはDVDを観ましょう
釣りビジョンから、ロデオクラフトのスタッフが実釣を交えてM.T.レイクスを解説するDVDが発売されています。
スライドスプーンの釣りを行う上での超基本になりますので、必ず視聴しましょう。
私は文字通り、穴が空くほど観ました。

-
DVD「スライドスプーン ~中禅寺湖でレイクトラウトを獲る方法~」
カウントをしっかり取りましょう
ディメンションを操るスライドスプーンは、現在スプーンがどこにあるのか、どこまで浮き上がっているのかを常に把握する必要があります。
何秒でボトムに着いたのか、何秒スライドさせてヒットしたのか、などなど、カウントを取るようにすることは必須です。
中禅寺湖では底ベッタリで食わず、ボトムから推定50cm~1m浮かせたところで連発、なんてこともあります。
カウントを取っていなかったために、実はアクションを加える前にバイトしていることに、気付いていないこともあるかもしれません。
中禅寺湖では開始1投目のフリーフォール中、カウント5でレイクトラウトがヒットしたこともあります。
仕掛けて獲ることを意識しましょう
スライド系スプーンの釣りは、いかにカーブフォール(スライド)させている時に食わせられるかを突き詰める釣りです。
スライドに入る前に、どれだけ魅力的な動きでトラウトの興味を惹けるか、追わせられるかが肝になります。
刻々と変化するフィールドの中。トラウトをその気にさせるために、今までのセオリーを壊す自分なりのクリエイティビティが必要なのかもしれません。
型にはめず、状況を読んでアジャストさせましょう
2-2-5などのリトリーブセットは、あくまで基本形です。その日その時の状況を予測し、合わせる必要があります。
例えばローギア・ハイギアといったリール本体の違いでも、スプーンの移動距離やスライド時間が微妙に違ってきます。
場所によっては湖流の強弱もあるでしょうし、現場合わせは必要な要素の1つなのかもしれません。
スライドマスターにアドバイスをもらいましょう
釣り仲間や知り合いの知り合いなどにスライドマスターがいたら、恥を捨てて色々聞いてみましょう。
そこで得た情報や知見を、自分の考えや経験と繋ぎ合わせ、実釣で試し続けていくことで、スライドマスターへの道が作られていくような気がします。
私も遠慮せず、分からないことは有識者にバリバリ聞いています。
最後におすすめのスライドスプーンを再チェック
M.T.レイクス(メーカー:ロデオクラフト)

プロビア(メーカー:シーレーベル)

スナッチベイト(メーカー:マグネット)







初めてコメントを送ります。大変読み応えのある記事で大変勉強になりました。もし宜しければ教えていただきたいことがあるのですが、縦のディメンションでの誘いはだいたいボトムからどれくらいまでのレンジで誘いかけるイメージでしょうか。教えていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
Posted by うちの / 2019年2月5日13:40